クリニック2018.07.28
札幌も最高気温が30℃を超えるようになり、束の間の夏気分を楽しめるようになりました。
本州の酷暑を横目に、道産子の私は、北海道に住んでいることにホッと胸を撫で下ろしています。
クリニックにはじめて来られる患者さんは、神経に関する一通りの診察をおこないます。当然ながら足(脚)を見たり・触わる機会が多いのですが、足にその人の歴史を垣間見ることができる気がしています。
先日クリニックに来られた患者さんが、自信作として足のテーピングを披露してくださいました。脛から足の甲にかけて、ドラッグストアで購入したテープを貼っているのだそうです。
この患者さんはパーキンソン病で、実はパーキンソン病では足の指が地面を噛むようにクルっと下向きに丸まってしまう方が多いのです。なかには振戦(ふるえ)や動作緩慢よりも先に、この足指が丸まってしまう症状に気づいて受診する方もおられます。パーキンソン病では力を上手く抜くことができなくなるために、足の内在筋、とくに屈筋に力が入ってしまいます。その硬く・痩せてしまう内在筋のために、足指が丸まるようになってしまうのです。
この患者さんは無意識に、足指を伸ばすためにテーピングを始めたとのこと。とても効果があるとにこやかに話しておられました。
とても太くて頼もしい足
一見細いけど芯のある足
むくみでパンパンでも頑張って歩く足
絆創膏だらけでもしっかりと歩く足
健康であっても、何らかの病気を抱えていても、自分の足には愛着があるもの。
お風呂でマッサージをしてあげたり、テーピングをしてあげたり、冷えないように温めてあげたり・・・色んな方法でご自分の足を労わってみてはいかがでしょうか。
*患者さんの同意をいただいて写真掲載しております
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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