パーキンソン病2025.03.16
週末は大谷翔平選手の凱旋帰国ニュースで持ちきりでした。日曜日は昼からドジャースの試合が始まり、午後にはファイターズの試合、そして夜にはカブスの試合と続いていきます。ちなみに、朝はカーリングの世界選手権も観戦していたので、長丁場の一日となりました。
パーキンソン病の治療薬は大きく分けて、「レボドパ」「ドパミンアゴニスト」「そのほか補助薬」の3種類があります。治療薬の基本はレボドパですが、ながく使用していくと薬効が不安定となってしまい、日内変動(ウェアリング・オフ、オン・オフなど)や不随意運動(ジスキネジア)の心配があります。レボドパの効果はだいたい5-6時間とされていますが、長期間内服していくうちに、レボドパの効果が3-4時間ほどで切れていき、効いている時間(オン)と切れた時間(オフ)がはっきりするようになってしまいます。
治療を始めて間もない頃は、レボドパを一日2-3回内服し、日中の活動時間帯にドーパミン濃度が上がるように治療していきます。ところが、夜中から朝方にかけての時間帯は、レボドパの効き目がどうしてもさがってしまいます。「夜中にトイレへ行くときに歩きにくい」「朝起きたときに動きが大変」という患者さんが多いのは、レボドパはこの時間帯に効果が出にくい薬剤のため、ある意味当然とも言えるのです。たとえば、19時にレボドパを内服したときに、レボドパの効果が5-6時間と考えると、24時過ぎにはドーパミン濃度がどうしても下がってしまう、レボドパはそういう薬剤ということもできます。
それでは、「夜中にトイレへ行くときに歩きにくい」「朝起きたときに動きが大変」なときに、治療薬の対策をどのように進めていったらよいのでしょうか?
レボドパはなるべく増量しないで済むように、日中の活動時間帯に使用していくのが基本です(就寝前にレボドパを内服することは、あまりすすめていません)。起床してから朝食後の内服までに時間がある場合には、起床してすぐレボドパを内服する方法があります。
また、ドパミンアゴニストや補助薬を上手に使用する方法があります。ドパミンアゴニストや補助薬の多くは一日1回の内服(貼付)で、一日を通じてドーパミン濃度が安定しやすいというのが特徴です。効果はレボドパには及びませんが、レボドパが効きにくい夜中や起床時にも一定の効果が期待できます。
実は、このドパミンアゴニストには、効果時間の違いから2種類があります。24時間の効果が期待できる一日1回内服(貼付)の徐放製剤(ミラペックスLA、レキップCR、ニュープロ、ハルロピ、カバサール)が現在の主流ですが、一昔前に主流となっていた一日3回内服が必要な非徐放製剤のドパミンアゴニスト(ビ・シフロール、レキップ、ぺルマックス)もあります。ドパミンアゴニストの副作用(幻覚や眠気など)のために、徐放製剤をを使用しにくい場合でも、就寝前に1回のみ(一昔前の非徐放製剤型)ドパミンアゴニストを使用することで、夜中や起床時にドーパミン濃度を保っていく方法もあります。
パーキンソン病治療薬は実にたくさんの種類があり、薬の効いている時間も様々です。日内変動や不随意運動を予防したい、なるべく夜中から起床時の動きを楽にしたい…患者さんの希望に添えるように、新しい薬はもちろんのこと、一昔前の薬も工夫しながら調整するようにしています。
雪の北大古川記念講堂
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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