クリニック2019.02.26
あれだけ寒かった2月も、日ごとに暖かくなってきて、気付けば3月を迎えようとしています。
クリニックに来られる患者さんには、少しでも歩きやすく・動きやすくするための様々な工夫をされている方がいます。滑り止めのために靴底へピンを打ち込む方、滑り止めのために車いすタイヤに結束バンドを巻く方、加速歩行を防ぐためにリュックを背負ってバランスをとる方…これまでのブログでも紹介させていただきました。
先日クリニックにこられた患者さん。
スタッフの気持ちが自然と優しくなるような、穏やかな表情と優しい語り口をもった女性です。脊髄小脳変性症のためにバランスがとりにくく、ふらついてしまうことが多いのですが、進行予防の注射とリハビリテーションを続けておられます。
診察室にお呼びしたとき、最初はあまりにも違和感なく入室されたので気づきませんでした。いつもの杖ではなく新しいキャリーケースを手にしていました。一見多くの方がつかう普通のキャリーケースにも見えますが、歩きやすくなる様々な仕掛けがあるようです。
4輪のうち2輪のみが360°回転する可動式で、前後左右にスムーズに移動できるそうです。4輪すべてが可動式だと、身体が寄りかかったときにキャリーケースが支えとならず、転んでしまうこともあるため、2輪のみが可動式のほうが都合良いのだとか。手元にハンドブレーキも付いているため、車輪を止めることも可能。もちろん手すりの高さも調整自由で、バッグも取り外し可能です。なにしろ、デザインがシンプルで、自宅近くの買い物から街中へ外出するときまで、いつでも使いやすそうなのが良いですよね。
街中でもよく見かけるようになり、広く認識されるようになってきたヘルプマークも付いていました。これからやってくる春、少しでも快適に散歩できますように。
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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