Dr Makoto’s BLOG

思っていたよりも!

パーキンソン病2019.04.15

先日クリニックに来られたパーキンソン病患者さん。
診察室にはいると、第一声は「思っていたよりも元気に旅行に行ってくることができました!」と、満足感・安堵感にあふれた表情で伝えてくれました。

もともとは仕事や家事、愛犬の散歩など日々忙しく過ごされていた彼女。
パーキンソン病の診断を受け、治療が開始となってから、リハビリテーションや家事を慎重に、前向きに取り組まれています。時折吹っ切れないような表情も垣間見えていましたが、2年経過したことで、少しずつ身体との向き合い方をつかんできて、病状も落ち着きつつあると感じていました。

3月の受診時に、「下旬に夫と京都へ旅行に行ってこようと思いますが、大丈夫でしょうか?」と相談を受けました。私は二つ返事で「是非楽しんできてください」と伝えたところ、「今回が最後の旅行になるのかなと思って…」と不安な気持ちを抱えている様子でした。

不安が混じるなか訪ねた京都だったようですが、上手く休息をとりながら、結局一日合計10㎞も!歩いたそうです。寒の戻りと重なり、満開の桜とはいかなかったものの、それでもご夫婦で綺麗な桜を目にして、とても貴重で充実した時間を過ごされたようです。それが自信につながったのでしょう、「思っていたよりも元気に動けました」と、先日の来院時は満足感・安堵感で一杯の表情でした。

今度は是非満開の桜をご主人と見に行けますように!またひとつ夢が増えたのではないでしょうか。

 

 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩