Dr Makoto’s BLOG

いくつになっても好奇心

パーキンソン病2019.08.04

暑いですね、という挨拶で体調を気遣う日々が続きます。
あと2週もすればこの暑さも懐かしくなるのかと思うと、なんとも大切に過ごしたいとも感じます。

土曜日午後にクリニックへ来られたパーキンソン病患者さん。
音楽などの趣味が多彩な方で、いつもにこやかに来院されます。

たいていは仕事を終えた平日夜に診察とリハビリテーションを受けるため、どうしても体調の話が中心となってしまいます。そんななかでも、先日は遠く離れた地のギター工房で懸命に修行を積んでいる息子さんの、晴れてはじめての作品会のため現地へ駆けつけた話を聞かせて下さいました。ギターは作り手によって音色や響きが実に異なるのだとか、楽器を弾く私はとても興味深く聞かせていただき、写真を交えながらのお話しは、感激した様子が犇々と伝わってきます。

今回は比較的ゆとりのある土曜日午後のクリニックへ来られました。
タンゴについて触れたこのブログを読んでいただいたそうで、診察室に入っては民族音楽の話へと拡がっていきます。タンゴはご存知のとおりアルゼンチンが本場ですが、彼は先日札幌で開催されたアンデス地方(ペルー・チリ・ボリビア)の音楽のライブ行かれたそうです。

フォルクローレとも呼ばれるこの地域の音楽、「コンドルは飛んでゆく」と言えば一度は耳にされた方も多いのではないでしょうか、ケーナという縦笛やチャランゴというギターに似た楽器で演奏された動画を見せていただいては、なんとも懐かしいような、心が洗われるような気分になります。飲食店のライブで、広くない店内では目前に生の演奏を聴ける、なんとも貴重な時間だったようです。

パーキンソン病の彼は、身体のだるさや調子の波を抱えつつも、いろいろな場面で感動・感激したことを伝えてくださいます。彼の好奇心には憧れるばかりです。それがきっと病気にもいい影響を与えているような気がしています。 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩