Dr Makoto’s BLOG

自宅でリハビリテーション 介護保険と医療保険

クリニック2020.06.28

「こんなときもあるさ」と、なだめる日々が続きますね… スッキリ・快晴の日が待ち遠しい限りです
 
多くの方がご存知の介護保険。
クリニックに来られる患者さんの多くは40歳を過ぎてから介護保険料を支払ってきておられますが、いざ介護保険サービスの内容や申請するタイミングはどうしてよいかわからないという相談を受けます。
介護保険の基本は、65歳以上になると介護認定を受け、介護サービスを利用することができるというものです。訪問介護(ヘルパー)、通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所生活介護(ショートステイ)、訪問看護、訪問リハビリテーションといった介護サービスです。
 
ところが、クリニックに多く通われているような神経難病(パーキンソン病、脊髄小脳変性症など)の患者さんは、65歳に達していなくても、40歳以上であれば介護認定を受け、介護サービスを利用することが可能です(第2号被保険者と言います)。実際に多くの方が利用されています。
 
このような介護サービスを受ける際には、担当のケアマネジャーがついて、具体的にどんな生活をしたいかという希望に沿ってプランを組んでいきます。例えばデイサービスと訪問看護を組み合わせたり、自宅の手すりやスロープの改修工事、また訪問介護と訪問リハビリテーションを組み合わせるようなサービスを利用することができます。
 
特筆すべきは、訪問看護は、介護保険とは別に医療保険を利用する方法があることです。実際にクリニックの患者さんは体調管理やリハビリテーション目的に医療保険での訪問看護を利用される方がたくさんおられます。
と言いますのも、神経難病患者さん*の訪問看護は、介護認定を受けていても医療保険で行うことが優先されるためです。また、介護認定を受けていなくても、神経難病患者さん*は医療保険での訪問看護を利用することができるためです。
この「訪問看護ステーション」、最近はリハビリテーションに力を入れる「訪問看護リハビリテーション」と謳っている事業所が増えてきています。つまりは、40歳以上の神経難病患者さんの多くは、介護保険を申請せずとも、訪問看護リハビリテーションを受けることが可能ということです。
 
ところで、当院で行っている神経難病に特化した訪問リハビリテーションは、基本的に介護保険を利用したサービスになりますので、介護認定が必要となります。
最近は通院が大変な冬期間の外来リハビリテーションを、訪問リハビリテーションに切り替えて行う患者さんが増えてきています。神経難病のリハビリテーションは専門性が高く、クリニックの外来リハビリテーションを引き継いだメニューで訪問リハビリテーションにつなげることができるのがいちばんのメリットです。訪問リハビリテーションへ切り替えを希望の際は、ケアマネジャーを通じての調整が必要となりますので、冬になる少し前にご相談いただけましたら、スムーズに訪問リハビリテーションへ移行することができます。お気軽にご相談くださると幸いです。
 
*対象となる神経難病患者さん:パーキンソン病(ホーエン・ヤール3度以上)・進行性核上性麻痺・皮質基底核変性症・多系統萎縮症・多発性硬化症・脊髄小脳変性症・筋萎縮性側索硬化症・慢性炎症性脱髄性多発神経炎・球脊髄性筋萎縮症・脊髄性筋萎縮症・進行性筋ジストロフィー症・重症筋無力症など

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩