Dr Makoto’s BLOG

コーヒーとパーキンソン病

パーキンソン病2021.04.25

いよいよ札幌でも桜が開花し始めました、満開に向けて思う存分楽しめる日が続いていきますね。
 
「コーヒーはパーキンソン病に良い」というお話をご存知でしょうか?
正確にはコーヒーに含まれるカフェインを摂取すると、パーキンソン病の発症リスクを下げるというものです。
 
カフェインにはご存知のように覚醒作用があり、夜に飲むと眠れなくなるという方もおられると思います。これは、ヒトのからだにはアデノシン受容体というのがあり、この中のひとつ、脳のアデノシン2A受容体をカフェインがブロックすることで、覚醒作用がはたらくためです。
実は、カフェインはこの覚醒作用のほかに、ドパミン神経活動を促す効果があることも分かっています。このことが、カフェインがパーキンソン病の発症リスクを下げることと関連しているようです。
 
ちなみに、日本でも使用できるイストラデフィリン(ノウリアスト®)というパーキンソン病治療薬。この薬もカフェインと同じようにアデノシン2A受容体をブロックすることで、パーキンソン病の治療に用いられています。
レボドパやドパミンアゴニストなど、多くのパーキンソン病治療薬は眠気を伴いますが、イストラデフィリン(ノウリアスト®)は逆に覚醒の方向に働くという、ユニークな特徴も持っています。
 
私もコーヒーが好きで、幸い夜に飲んでもぐっすり眠れるため、毎日好きな時間に飲んでいます。
学生時代に試験勉強のため、友達とファミレスで一夜漬けしたときのこと。コーヒーの飲み放題で、カフェインの覚醒作用を期待して一晩に10杯飲んだ暁には…案の定胃がもたれて苦しくなり、試験も散々だったのが、今となっては苦くも懐かしい思い出です。
 
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩