Dr Makoto’s BLOG

早起きは三文の徳

クリニック2021.06.28

真夏のような暑さとなった週末の北海道。
金曜日の診療終了後にクリニックから見えた夕日が、手稲山よりもずっと北寄りに沈みかけていて、他のスタッフと驚きながら見入っていました。
 
60歳を超えた患者さんからよく伺うことのひとつに、「早く目が覚めてしまう」ということがあります。朝4時ですと今は明るい季節なのでまだ良いでしょうが、早い方はまだ真っ暗の2時くらいに目が覚めてしまうという方もお聞きします。年を重ねるにつれ、睡眠時間が4-5時間と短くなってしまう方が多いようですが、入眠困難(寝付けない)や中途覚醒(何度も目が覚めてしまう)などがなければ、ある程度は年齢にともなう自然な流れと言われています。
 
一方で、「早寝早起き」という言葉があります。これは、ご存知のように、睡眠時間を確保しながら、睡眠の時間帯を前倒しするということ。「朝型生活」と言ったりもします。クリニックにも、毎朝4時に起床して、朝の時間を過ごしているスタッフがいます。
 
実は、先日「早寝早起きがうつ病の予防に効果がある」という研究報告がされました(JAMA Psychiatry)。84万人を対象に調査したところ、夜型生活の人が就寝時間を1〜2時間ほど前倒しして朝型生活にすると、うつ病の危険が約2〜4割減ったそうです。
 
昔から「早起きは三文の徳」とも言われ、早寝早起きが良いというのを感覚では理解できるかもしれませんが、なかなか生活サイクルを変えるのも難しいという方も多いのではないでしょうか。今回のように大規模な研究で報告されると、合点がいくような、背筋が伸びるような気がします。みなさんの仕事や生活スタイルがありますので、一律に勧められるものではありませんが、健康の秘訣として頭の隅にいれておきたいものです。

 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩