クリニック2021.08.02
毎日生活していると、家族や職場のスタッフ、患者さんなど、よく顔を会わせる人が沢山います。もちろんその方々の名前は分かりますし、なにか目的があって一緒に過ごす方々がほとんどです。
一方で、名前は分からないけど、毎日よく見かけたり、会話をするような方もいるのではないでしょうか。私の場合は、犬の散歩をしているとだいたい公園で決まって声をかける方がいますし、ジョギングしていると停留所で決まって電車を待っている方を見かけます。地下鉄でいつも同じ車両になる方もいます。
ほとんどは朝の時間に見かけることが多く、はじめのうちは気づかなくても、何度も見かけるうちに、お互いに気づいて会話をするようになっています。相手方の名前は分からなく、今さら名前も聞けないけど、会うとなんだかホッとする。朝は決まった時間にルーティンで動くことが多いので、その効用と思っていますが、名前を知らない人と会うことでも、また新しい一日がはじまるような感じがします。
自宅前の公園では毎朝6時30分のラジオ体操に100人くらいの方々が集まっています。きっとお互いに名前を知らないで付き合っている方も多いのではと感じています。それでも聞こえる会話は、お互いの身の上や健康を気遣う話など、他愛もない会話をして、やがて時間が過ぎると各々が自宅へ元気に帰っていくようです。
さて、御年85歳くらいと思われる、声の大きな、はつらつとした元気なご婦人を毎朝公園で見かけていました。ところが、しばらく見かけなくなり、最初は気づきませんでしたが、何日も続くと、もしかして体調を崩したのだろうかと心配するようになりました。名前も知らず、挨拶を交わすくらいの方ですが、先日元気な姿を見かけることができて、ホッとした気分になりました。
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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