クリニック2021.08.16
新しい治療薬が保険で認可され、実際に使うことができるようになったとき、患者さんやご家族の気持ちがより前向きになる姿を目の当たりにしてきました。私もいつもワクワクします。
2000年、再発期のステロイド治療しかなかった多発性硬化症に、再発や進行を予防する初めての治療薬・インターフェロン製材が使えるようになったときも、すごくワクワクしたのを覚えています。
つい先日、脊髄性筋萎縮症(SMA)という運動神経が変性する難病で、初めての経口治療薬・リスジプラムが認可され、使用できるようになりました。
クリニックへ通院されているSMA患者さんの彼女は、電動車いすを利用して生活し、熱心にリハビリテーション通院されています。バイタリティに溢れる彼女は、ご家族やヘルパーさんのサポートも受けて日常生活を過ごす傍ら、ラジオのパーソナリティーや執筆活動を通じて、障がい者に関わる社会活動の発信に意欲的です。
とってもコミュニケーションに長けた方で、一緒にいるとパッと気持ちが明るくなるような女性です。きっと、喜怒哀楽といったご自分の気持ちを表現しながらも、周囲への気遣いや優しさ、明るさを絶やさない彼女の魅力に尽きるような気がしています。
リスジプラムを、ながい間心待ちにしていた彼女とご家族。これから治療が始まり、身体的な体調に加え、気持ちの面でもさらにパワーアップして活躍する姿が目に浮かぶようです。
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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