Dr Makoto’s BLOG

青竹踏みでアキレス腱を

パーキンソン病2022.10.03

10月は記録的な暖かい日でスタートしました
立ち寄った道の駅の野菜販売所は、新鮮で立派な野菜が安く買えるということで大盛況でした。10月にはいってまたまたの値上げとなってしまい、その影響もあって大盛況していたのかもしれませんね。
 
パーキンソン病では、時間が経つにつれて筋肉のこわばり・硬さが蓄積しやすくなります。一日のなかでは午後から夕方にかけて筋肉のこわばり・硬さが蓄積しやすく、また1週間・1か月・1年経過していくと次第に筋肉のこわばり・硬さが蓄積しやすくなっていきます。このこわばり・硬さを和らげるために、みなさんマッサージをしたり、温めたり、リハビリテーションをしたりと、様々な工夫をされています。
 
これまでパーキンソン病患者さんのこわばりは、早い時期に肩甲骨から肩付近にかけて出やすいことをお伝えしてきました。肩や背中が前方へ入ってしまうことで、ついつい前かがみの姿勢になったり、上肢の細かい動きが難しくなりがちです。
 
初期のパーキンソン病患者さんには肩甲骨ストレッチが大切ですが、それと同じくらい大切なのがアキレス腱のストレッチです。歩いていても、膝が十分に上がらず「すり足」になってしまう患者さんも多く拝見します。しっかり太腿を持ち上げで歩くために、股関節や膝関節の柔らかさ(可動域)が必要ですが、頑張って太腿を持ち上げても、アキレス腱の硬さのためにどうしても「すり足」になってしまう方も少なくないようです。そのような場合、つま先が下がっていて、つま先から地面に接地するような歩き方になっていることが多いようです。
 
アキレス腱が硬くなっていくと、つま先が下を向きやすくなってしまいます。足が引っかかりやすい、すり足になってしまうのを予防するためにも、アキレス腱伸ばしははやいうちから是非取り入れたい、基本のストレッチです。クリニックのリハビリテーションでも起立台をつかったアキレス腱伸ばしを取り入れており、自宅では昔ながらの「青竹踏み」も効果的のようですよ。アキレス腱を伸ばしてふくらはぎの硬さを和らげることは、脚のむくみを軽くすることにも繋がります。
パーキンソン病にかぎらず、健康の秘訣として、多くの方に取り入れていただきたい習慣のひとつです。
 
神仙沼からのシャクナゲ岳

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩