パーキンソン病2024.01.22
今年は暖冬との噂で「雪が少ない冬になるかも?」と淡い期待を持っていたお正月でしたが…年明け早々ドカ雪に見舞われました。遅ればせながらいつもの冬がやってきた感じです。一日に何度も雪かきに追われて、ヘトヘトになった方も多かったのではないでしょうか?
嬉しいことに、日暮れが着実に遅くなってきています。今はそれを頼りに頑張ろう、と言い聞かせているこの頃です。
クリニックに通われているパーキンソン病患者さん。凛とした佇まいの女性で、仕事の傍ら趣味の歌などの時間も大切にし、診察室では色んな話をして下さいます。私も学生時代に合唱をかじっていたことがあったので、ついつい話も盛り上がってしまいます。
先日、彼女がクリニックに定期受診されたときのことです。12月のブログ「パーキンソン病患者さんの治療費が10,000円を超えると」をご覧になったとこと。彼女の治療費・自己負担で10,000円を超えた月が3回続いたため、パーキンソン病の指定難病医療費助成制度(いわゆる難病手帳)を、「軽症高額相当」を利用して申請したいとの相談を受けました。
この「軽症高額相当」とは、特定医療費の支給認定の要件である重症度分類等を満たさないものの、月ごとの医療費総額が33,330円(3割負担の方ですと自己負担10,000円)を超える月が年間3月以上ある患者さんについては、支給認定としますよ、というものです。彼女のように、10,000円以上の自己負担がある患者さんでは、ホーエン・ヤール1-2度といった軽症のパーキソン病患者さんでも、「軽症高額相当」として指定難病医療費助成制度を申請することができるものです。
クリニックへ通院している患者さんには、処方する薬剤やリハビリテーションにかかる費用などを合わせて、おおよそ10,000円を超えるかどうかを私の頭のなかで計算するようにしています。そして、軽症高額相当に該当する場合には特定医療費の申請をすすめるようにしていますが、彼女の場合は自己負担が10,000円を少し超えていることが申し出によって分かりました。
彼女の凄いところは、これまでの自己負担金額をきちっと確認し、あらかじめ役所に相談をして、申請に必要なマイナンバーカードや所得証明書などの書類も既にご自分で用意しておられました。「あとはクリニックに診断書(臨床個人調査票)を書いてもらえば申請できると思います」とのお話です。
実は、特定医療費の申請をするときには、制度や手続き方法が複雑なため、ソーシャルワーカーから詳しい手順を説明するようにしています。ところが、彼女の場合はそれもまったく必要ないくらい制度や手続き方法を理解されていたことに、スタッフ一同で驚いたものです。
パーキンソン病を始め、難病のために通院する場合には医療費のことは避けて通れないものです。些細なことでも疑問がありましたらお気軽にスタッフへご相談ください。
~藻岩山からみる札幌市街と樺戸山地
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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