神経内科2017.06.10
本日、遥々北見よりはじめてクリニックへ来られた患者さん。
10年以上にわたって、「左の頭と首に力がはいってしまう」症状があり、
昨年からさらに辛くなったためにクリニックを受診されました。
以前に私が診療させていただいた、若いジストニアの男性患者さんが、
ジストニアの手術を受けてとても良くなった経緯があり、
その男性よりジストニアの心配をされ、勧めを受けて、今回受診されたそうです。
拝見すると、左首の筋肉がつよく緊張して、収縮が強くなり、「スジが見える」ようになっています。
また、とある筋肉はずっと力が入っているので、「盛り上がって」います。
さらに、ずっと力が入っているので、「肩が上がって」います。
ジストニアとは、「無意識に必要以上に筋肉に力が入ってしまう状態」で、
以前のブログでもお伝えしましたように、検査では異常が出てこないことがほとんどです。
そのために、「ストレスのせい」「気のせい」と言われ、途方に暮れる方が多くおられます。
診察では、わかりやすく言いますと
「スジがみえる」「筋肉が盛り上がっている」「肩が上がる」などの観察が大切で、
実際の筋緊張が増していることを確認して、ジストニアの診断をしています。
パーキンソン病患者さんの「前かがみ姿勢」「腰曲がり」「手指がクルっと丸くなる」のもジストニアと言われています。
ジストニアはなかなか気づきにくいものですが、周囲の方が「ゆがんだ姿勢」をみて気づくこと多いようです。
痛みや不快感の原因にもなりますので、「ジストニアという病気・状態がある」ということ
頭の隅に入れておいていただけると、周囲の方にもきっと役立つ知識だと思っています。
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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