クリニック2024.11.25
雪が降っては溶けて…を繰り返し、少しずつ冬が近づいてきています。札幌の根雪は例年12月上旬からのようです、いよいよ2週も経つと冬景色に入るのでしょうか。
先日、江別市保健所が主催する難病関係者学習会で、神経難病に関する講演をさせていただきました。この時期ならではの雪の天気、江別市内へ入ると雪が積もっていました。江別保健所の管轄する地域は広く、道が悪いなかで心配しておりましたが、たくさんの医療・福祉関係者の方々が参加されていました。
地域にある保健所と言いますと、みなさんはどのような役割を思い浮かべるでしょうか?
最近ですと、新型コロナウイルス感染症への対策や指導が記憶に新しいかと思います。感染症対策のほかにも、薬事や食品衛生、環境衛生に関する監視・指導や、難病や精神保健に関する相談対応など、保健所の役割は実に多岐に渡ります。クリニックに通院されている患者さんですと、特定医療費受給者証、いわゆる難病手帳の手続きで保健所にお世話になっています。難病手帳をお持ちの患者さんには、保健師から個別に相談など対応いただいている方もいることでしょう。
札幌で神経難病の診療をしていると、通院中の医療機関が他医療機関やケアマネジャーなどと連携をとりながら治療やケアをすすめていくことが多いのですが、地域によっては保健所や保健師が主導ですすめていくことも多いのです。実際の治療やケアに関わっておられる地域のケアマネジャーや介護スタッフ、訪問看護師、訪問リハビリスタッフ、薬剤師と連携を図るために、公的な機関である保健所・保健師がハブとなってネットワークをつくっています。
医療機関から介護・福祉事業所、公的機関から民間機関など、地域によって関わりの濃淡はありつつも、保健所がネットワークの中心となって、地域で難病患者さんをサポートしています。地域に暮らす患者さん・住民にとっては、きっと安心につながることでしょう。
江別保健所の方々の熱心な活動に頭が下がる思いです。今後も、北海道全域で、とくに神経難病患者さんをとりまく地域のネットワークづくりにお役に立てるのであれば、私もこのような活動を続けていきたいと思っています。
貴重な機会をいただきまして、この場を借りて御礼申し上げます。江別保健所のますますの発展をお祈りしています。
~冠雪の十勝岳と大雪山系
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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