Dr Makoto’s BLOG

手足のつっぱり

クリニック2017.08.02

「手足のつっぱり」というテレビCMをご覧になったことがありますでしょうか?
「手足のつっぱりで困っている方は、検索して受診してみてください」という趣旨で最近流れているCMです。
CMでは商品名を提示することができませんが、実はボトックス治療を中心にしたCMです。

おもに脳卒中の後遺症である痙縮(つっぱりのことです)に対して、
ボトックス注射をしてつっぱりを軽減させる治療のことで、クリニックでも多くの方に治療をおこなっています。

先日このCMをご覧になったのをきっかけに、クリニックを受診され、ボトックスを受けた方がおられました。

一般的に、脳卒中のあとリハビリテーションが必要な場合は、病院で3か月ほど集中的にリハビリテーションを行います。
実は、このつっぱり(痙縮)はリハビリテーションの終了する(発症から)3-6カ月して目立ってくるため、
ほとんどの患者さんは痙縮について相談する機会がなく、そのままということが少なくないようです。

つっぱりが強くなると、関節が十分に広がらずに痛みを感じたり、着替えが大変になったり、
身体を綺麗に清拭するのが難しくなったりと、生活に影響がでてしまいます。
ボトックスによって、つっぱりが軽減すると日常生活が楽になるのに加え、
気持ちの面でも前向きになれる方が多いようです。

クリニックにこられた患者さんも、CMをみるまでは痙縮の治療があること自体もご存知なかったようで、
「藁にもすがる思いで受診した」と言っておられました。やはりテレビCMの効果は大きいのですね。
これをひとつのきっかけに、つっぱりで困っておられる多くの方が、少しでも楽になっていただけることを願っています。
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩