パーキンソン病2017.12.06
日常生活で手をつかう動き …「バイバイ」、米を砥ぐ、歯磨き、キャベツの千切り
パーキンソン病の患者さんに、
「はじめて『あれ?』っと思ったときはどんなときですか?」と聞きますと、多くの方が話されることです。
共通しているのはどれも「リズミカルに反復する動作」だということです。
実は、パーキンソン病は「内的なリズム形成障害」があり、早期からリズム形成の調子が崩れるとも考えられています。
実際に、歯磨きがぎこちなくても、書字や箸使いは結構上手という患者さんも拝見します。
これは書字や箸使いは「リズミカルに反復する動作」とは異なる動作だからなのかもしれません。
私たちは無意識に左右の脚を出して歩いていますが、これも左右のバランスをとって、リズムよく脚をだすことで、
真っすぐ・安定して歩くことができるようになります。
リズム形成が崩れると、歩いているうちに脚がどんどん速くなる「加速歩行」や、
狭いところなどで足が出にくくなる「すくみ足」がパーキンソン病でみられるようにもなります。
私たちには、いろいろな作業をしたり、歩いたりするのに、本能的に安定・安心するテンポがあるようです。
とくにパーキンソン病の患者さんが聴くと、歩行や動きが改善すると言われているテンポがあるのをご存知でしょうか?
それがテンポ♩=120で、1分間に120回手を叩くはやさのリズムです。
行進曲・マーチの多くがテンポ120でつくられていて、なるほど、歩きやすい、快活なテンポです。
「ミッキーマウス・マーチ」もテンポ120です。
また、テンポ120は老若男女に共通して心地よいのでしょうか、
「サザエさんのうた」や「ドラえもんのうた」、「負けないで(ZARD)」もテンポ120でつくられています。
♪お魚くわえたドラ猫 追っかけて~、と歌い・手拍子をしてリズムを感じながら歩くのも、
パーキンソン病のリズム形成にはおすすめですよ。
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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